地上発進・到達シールド 大井地区トンネル工事003


掘進を終えて地上に姿を現したシールド機
 ・電力洞道との離隔400mm

 シールド機が発進し、立坑でUターンして再び地上に到達するまでの間に、進路を横断するように電力洞道が直交している。洞道は外径が2400mm、URUPシールド2本との離隔はそれぞれ400mmしかない。直径13m超のシールドから見ると、まるで紙のように薄い離隔をクリアしなければならない。
 シールドを通過させる時には、洞道の手前から切羽の土圧を厳密に管理し、リアルタイムの計測データをもとに情報化施工を実践した。その結果、洞道は水平・垂直方向ともに10mm以下の地盤変異に抑えることができた。

・1500tが立坑内で回転

 2010年11月8日、立坑に到達したシールド機は、再び地上へ掘進するために坑内で回転させ、ジャッキアップして発進させる。狭い立坑内で回転させるために、通常シールド機後方に連なる油圧ユニットや運転席などはコンパクトにして一体化した。
 PC鋼線をシールド機受台に、円周状に巻き付けてジャッキけん引、180度方向転換した後は、センターホールジャッキを使い、わずか1日で発進側の架台まで上昇させた。11年1月末に再び発進したシールド機は、5月20日、地上へと顔を出した。
 「最低1D」。Dとは、トンネルの直径のことで、土被りが最低でもトンネルの直径分ないと掘削は難しい、というのが土木界の定説だった。初めて地上に頂部を見せてから、3日間かけて到達したURUPシールド機は、まさに土木の定説を打ち破った。

・土木業界全体の技術へ

 「もともとシールドトンネルは、下水道から地下鉄、道路へと発展してきた。トンネルは必ず地上との接点が必要になる。今回URUP工法が成功したことは、今後の土木界にとって大きな一歩となるはずだ」と田代元所長は振り返る。さらに「URUPのような工法は、今回たまたまわれわれJVが手がけただけだ。土木業界全体がこうした技術を身につけて拡がっていくことを期待」している。


シールドトンネルの概要図
 工事概要 ▽工事場所=品川区八潮
▽発注者=東京都
▽施工者=大林・西武・京急建設共同企業体
▽工事内容=シールド機:泥土圧式マシン外径13.6m、シールド延長886m(大橋方向550m、大井方向336m)、換気所:ケーソン工法39×35m、掘削深度44m、擁壁・カルバート部:開削工法、擁壁長さ274m、カルバート長さ80m、橋梁部:2径間PC橋梁60m、橋脚3基

→本線大井行編に続く

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